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<予防医療×エンターテインメント> Japan Heart Handwashing Project ~カンボジアに予防医療を広めるプロジェクト~ 進谷 憲亮 医師

  • 著者:松本 千慶(東京医科歯科大学医学部 6年生)
  • 投稿日:
  • インタビュアー名:松本 千慶
  • 派遣先機関:カンボジア Asia Alliance Medical Center(AAMC)
  • 留学目的:長期医師ボランティア

INOSHIRUプロジェクト、インタビュー記事第一弾となる今回は、現在カンボジアにて長期医師ボランティアスタッフとして診療活動を行われている進谷憲亮先生にお話を伺いました。
進谷先生は”Medfeed×Fanfare”に参加されており、10月14日(日)にカンボジアで開催される「Japan Heart Handwashing Festival」に向けてクラウドファンディングを行っています。

こちらも併せてご覧ください。
<予防医療×エンターテインメント> Japan Heart Handwashing Project ~カンボジアに予防医療を広めるプロジェクト~

 

 

松本 千慶

こんにちは!まずは進谷さんの自己紹介をしていただけますか?

進谷 憲亮
はい。進谷憲亮といいます。出身は福岡県京都郡苅田町です。福岡県立小倉高等学校を卒業後、九州大学医学部医学科へ進学。卒後2013年4月から東京都立多摩総合医療センターにて5年間勤務し、現在は特定非営利活動法人ジャパンハートの長期医師ボランティアスタッフとして、2018年の4月から1年間カンボジアに来ています。本当はあと1年多摩総合医療センターに残らないといけなかったんですけど、思い立ったが吉日。思い切って上司に相談してみたところ、想いを理解してくれて、快く送り出してくれました。席を残すという提案も頂いていたのですが、これは僕の身勝手で決めたことなので、思い切って辞めてここへ来ることを決めました!
それから2016年に、2足目の草鞋としてNPO法人「地域医療連繋団体.Needs」を設立し、北九州市を中心に、産学官民が一体となった形での地域医療としての住民への医療教育、地域包括ケア事業としての健康な町づくりなどに携わっています。

 

松本 千慶
なるほど!いろいろな活動を手掛けられているのですね。ちなみにジャパンハートの活動にはいつ頃からかかわっているのですか?
進谷 憲亮
きっかけは昨年の3月に、在宅医療に携わられている安井先生と飲みの場で話している時でした。安井先生はジャパンハートの長期医師ボランティアスタッフとしてミャンマーで2年間勤務されていた経験があるのですが、私が今の日本の医療の課題などについてグダグダと想いを語っていたところ、「進谷くんは色々考える前に一回ミャンマーに行ってきたらいいんや!」と言われまして。その時にジャパンハートについて初めて教えて頂きました。元々国際医療にも興味があったこともあり、次の日には「よし!これは行くしかない!」ってなっていました。即決でしたね(笑)。そのままあと2年間は多摩総合医療センターに残るつもりだったのですが、これはもう運命かなと思いまして。カンボジアに来た後に、安井先生からは一度、「いくつかのルートから先生がカンボジアの長期に出られたと聞きました。これからワクワクですね。応援しております!」とご連絡を頂きました。先生との出会いには本当に感謝していますね。
まずは手始めとして、ジャパンハートの提供している国際医療短期ボランティアに応募し、昨年の10月にミャンマーにおける手術活動に携わりました。現地で長期医師スタッフとして務めるには、この短期ボランティアに参加経験のあることが必須でしたので。現在はカンボジアに配属されて働いていますが、場所につきましてはジャパンハートに決めていただき、1年間という期間は自分の希望でした。単身赴任という形でこちらに来ています。
松本 千慶
とても運命的な出会いですね!素敵です!これまで留学の経験などはあったのでしょうか?
進谷 憲亮
実は全くないんです。医学生の間は部活動とアルバイトと勉強にあけくれていましたね。海外経験としては、春休みを利用して一度フィリピンに2週間ボランティアに行ったことならあります。ボランティア団体に所属する方とたまたま知り合って、誘われたのでやってみました。ボランティアの活動内容としては、フィリピンのとある村に井戸から水道管を繋げて、貧しい集落の人々に水を届けるといったものでした。将来いつか海外で働いてみたいという漠然とした思いはあったのですが、具体的なビジョンは、当時は特にありませんでした。
今思えば、人々に水を届けるという活動も歴とした医療活動の一つだったんだなと思っています。余談ですが。
松本 千慶
なるほど。その漠然とした思いが今回叶ったわけですね。ちなみに、学生時代に打ち込んでいたものはありますか?
進谷 憲亮
部活とバイトですね!部活では6年間バスケに打ち込み、バイトでは5年間BARと居酒屋を掛け持って働いていました。飲食店というのは”人と情報が集まる場所”という認識を当時から持っていまして、医学部で勉強しているだけではできない、さまざまな経験をさせてもらいました。BARでは起業家向けのセミナーなども開催されていたんですよ。社会人としての自分を育ててくれた大切な場所だと思っています。
松本 千慶
良いですね!では次に、医師としてのこれまでのキャリアや今後のことについて少しお伺いしたいと思うのですが、よろしいでしょうか?
進谷 憲亮

はい。僕自身の中では、”将来は地元に帰って開業して、地元地域に貢献する”という最終ゴールははじめから固まっていました。東京での経験も、カンボジアでの経験もその準備だと思っています。地元も小さな田舎町ですので、子どもからお年寄りまで基本的には誰でも診れるようになりたいという想いがあります。ですので、これまでは、色々なことを色々な場所で勉強してきました。ベースは都立多摩総合医療センターという急性期総合病院で、時には小児科総合病院(都立小児総合医療センター)や神経難病センター(都立神経病院)、島嶼医療(三宅島診療所)、在宅診療所(武蔵国分寺公園クリニック)、そして、今は国際医療(カンボジア)です。なので、専門医のライセンスは持っていません(苦笑)。でも、まだいいかなとも思っています。最近、日本でも知られるようになってきた家庭医療についてはどこかでしっかりと勉強したいなと思っています。

来年以降の予定については未定ですが、2年間ほど開業準備を行い、3年後に北九州に戻って開業できたらなと考えていますし、NPO法人の事業として、北九州市での地域医療に関わりながら、その基盤を今作っているところです。
北九州市で産学官民が一体となった地域全体で担う医療の仕組みの確立が僕の目標で、その後、北九州市と連携する形で、地元苅田町で開業して、地域医療を行っていけたらなと思っています。

松本 千慶
ご自身のキャリア形成に大きな影響を与えたものはありますか?
進谷 憲亮
やはり、「人」でしょうか。カンボジアに来るきっかけになった安井先生然り、学生時代のバイト先のBarのオーナ然り、その他にもこれまで生きてきて、人に恵まれているなと感じる場面が多々ありました。これまで出会った方々こそが、私の医師としてのキャリアに大きな影響を与えているのではないでしょうか。あとはやはり家族ですかね。どんな道を歩む際にも必ず応援してくれます。人の道さへ外れなければ(笑)。大学卒業前にこのまま九州大学という1つの形しか知らないまま医師になっていいのかとふと思うことがあり、東京で勤務するという道を選びましたが、それを応援してくれる人がいたことは幸せなことです。また、他人のアドバイスを素直に受け入れ、自分の選択肢に反映させることができたのも良かったと思いますね。
松本 千慶
なるほど。では早速ですが、ここからはカンボジアでの生活についてお伺いしたいと思います!現在カンボジアではどのような診療を行っているのでしょうか?
進谷 憲亮
私が現在勤務しているのは、カンボジアAsia Alliance Medical Center(AAMC)という所で、首都プノンペンから車で1時間ほどの場所にあるカンボジア中部カンダル州に位置するウドンという都市にあります。平日はほぼ毎日ウドンで診療活動を行っていますが、ごく稀に隣国ラオスに出張のような形で診療に行くこともあります。日本では主に救急医・総合診療医として勤務していましたが、こちらでは通常の診療のみならず麻酔をかけたり、外科助手のような業務を行ったりもします。その他にも手術着の洗濯・裁縫を行ったり、ガーゼを作ったり、滅菌かけたり、できることは何でもしますね。患者さんはクメール語を話すため、実際の診療現場では、日本語-クメール語の通訳者さんと共に診療を行っています。現地の医療スタッフとは英語でコミュニケーションをとっています。
ジャパンハートはボランティア団体なので、お給料は出ませんし、アルバイトをすることもできません。何なら活動費も払って来ていますが、“お金を払って自分のために勉強をしに来ている”といった心構えで診療活動に汗水流しています。カンボジアでの住まいは、AAMCが現地の大家さんから借りている寮で、10数名の現地スタッフと共同生活をしています。こちらはやはり蚊が多いので、蚊帳貼って寝ています。一緒に暮らしているのは、医師や看護師、薬剤師、アドミンスタッフそれから通訳さんですね。日本からの短期ボランティアさんも一緒にここで寝泊まりすることになります。もちろん男女は別です。(笑)
ご飯は女子寮で朝昼晩作ってくださる人がいますが、外食することもあります。長くいると日本のご飯が恋しくなるようで、毎日夕飯だけは日本人スタッフが当番制でご飯を作ります。物価は基本的には日本よりも安いです。市場価格で一食1—2ドル、ビールは0.5ドルくらいでしょうか。しかし、電気やガスに関しては他国からの輸入に依存しているため、日本と一緒くらいの値段がしますね。カンボジアは海外からの資本が入ってきやすい環境であり、他国からの支援がとても多く、アジア人のみならず、白人さんも多いです。アジア系の方では中国出身の方が多い印象を受けます。特に首都プノンペンでは。欧米から来られた方が病院を建てることも多いです。

松本 千慶
なるほど。日本と比べてカンボジアの医療環境はどのように異なりますか?衛生問題、感染症など……。
進谷 憲亮

今のカンボジアの状況は、戦後の日本と今の日本が混在しているような印象を受けます。例えば、首都プノンペンでは肥満や糖尿病といった生活習慣病が課題となってきているようです。片や、ウドンやもっと田舎の地域では、未だに一番の課題は戦後の日本の様に感染症です。地域によって医療における現状・課題が異なります。日本でも多少の違いはありますが、ここまでの格差はない様に思います。カンボジアでの医療を極端な事例として経験できることで、医療が如何に地域の状態に依存するものであるか、そして、日本の今の医療制度・技術が如何に優れているかを実感しています。

また、日本人のような、手洗いに対する“意識の高さ”は全くと言っていいほどありません。カンボジアの病院で働いていて強く思うのは、まだ、手洗いを重要視している人がほとんどいない。いや、いない、ということですね。医療関係者の間でも手洗いは徹底されていません。
日本ではふつう罹らないような感染症に苦しむ患者さんは本当に多く、中でも皮下膿瘍などの皮膚感染の患者さんは本当にたくさん来ます。老若男女問わず、です。みんな頭のてっぺんから陰部、足の指先まで、体の至る所に膿瘍を作って病院にきます。

外で遊んで帰ってきたら手を洗う、ご飯を食べる前には必ず手を洗うといったような、私たちが当たり前に認知していることが、カンボジアではまだまだ根付いていません。
手洗いだけでなく、歯磨きに関してもカンボジアの衛生、予防に関する意識の低さが反映されています。田舎の方では子供たちは基本的に歯磨きを毎日きちんとしないんですね。そこで「なんで歯磨きさせないの?」と地域のお母さんに聞くと、「乳歯は結局生え変わるから、少々虫歯になっても大丈夫でしょう?」と言われたこともあります……。その結果、子供たちの表情は、笑顔はキラキラしていますが、歯が黒いので少し曇ってしまいます。無論、健康的な被害も大きいです。

このような状況を引き起こす原因となっているのは、やはり経済格差と教育水準でしょうか。首都プノンペンとウドンでも生活環境や教育水準は結構異なります。プノンペンの都市部では水は飲料水を購入している家庭がほとんどだと思います。ウドンでは、雨水を溜めて煮沸した水を食事に使っている家庭もたくさんあります。ウドンよりももっと田舎の地域もたくさんあります。このように、各々体に入れているものも、場所や環境、経済力によって全くといっていいほど異なるのです。
また、ゴミの収集は有料であるため、お金があまりない方はそこら辺にポイ捨てするか、自分たちで燃やしています。このように、健康問題に対する悪循環はこの街に山ほど潜んでいます。

ジャパンハートカンボジアでは今年の6月から新しく小児病棟が開院し、小児がんの患者さんを診始めたのですが、以上のような衛生環境で抗がん剤治療を行うことがどれほど危険であるか、きっとみなさんにもおわかりいただけると思います。現状では、カンボジアの医師らが患者に対して手洗いの重要性を教えるような場面はほとんどありません。カンボジアのような十分でない衛生環境であるからこそ、様々な感染症を防ぎ、きちんと治療を行っていくためにも、手を洗う、体を清潔に保つといった日頃の意識づけや習慣がとても大事なのです。

松本 千慶
たしかに……、そのような環境にずっといますと、何としてでもカンボジアにおける病の予防に対する意識を向上させたくなりますね!進谷さんが予防医学に興味を持ったきっかけはあったのでしょうか?
進谷 憲亮

日本で働いていた時から既に予防医療には興味を持っていました。もともと病気を治すというよりも医療者として「人を幸せにしたい」という想いがあり、またそれが医療者の役割だと思っていました。

多摩総合医療センターで急性期医療に携わる中で、病院で命を救うだけでは、「人を幸せにすること」には繋がらないと感じるようになりました。急性期病院での医療は、例えるなら川の下流(病院)で上流から溺れて流れ着いた人たちを只管に救っている、そんな医療です。しかし、実際の現場では、医療者の過重労働や病床のキャパオーバーといった課題が現れ始めています。下流でおぼれる原因は川の上流(その人の生活の場)にあります。自分たちの身を犠牲にして人を救っている医療者を含め、人を幸せにするためには人がなぜ溺れているのか、その原因への対策をする必要があると感じるようになりました。どうにかして人が溺れないようにしないと、と思う様になった経験こそが予防医療に興味を持つ大きなきっかけとなっているのは間違いありません。

そして今まさにカンボジアで働いていて、その思いはさらに強くなりました。途上国でも先進国でも課題は同じでした。下流で人を救うことはもちろん、それだけではなく、上流で溺れてしまう前に、人を助けたいなと。

松本 千慶
素晴らしいことですね!私も予防医療に興味を持って医学部に入ったので、お気持ちはよくわかります。さてさて、本題に入りますが、今回のクラウドファンディングのプロジェクト「Japan Heart Handwashing Project ~カンボジアに予防医療を広めるプロジェクト~手洗いは人を幸せにする」ですが、始めようと思ったきっかけ、それからいつ頃から温めていたプロジェクトなのか教えていただけますでしょうか?
進谷 憲亮
このプロジェクトは、自分が発案者として立ち上げました。思いついたのは、カンボジアで診療を行うようになってからですね。
毎年10月15日はUNICEFが定める「世界手洗い日(Global Handwashing Day)」なのですが、毎年この日には世界各国で正しい手洗いを普及させるためのさまざまなイベントが開催されています。そこで今回、ジャパンハート カンボジアでも病院主催で、この世界手洗いの日に合わせて「手洗い・衛生教育」をテーマにしたイベントを地域住民向けに開催しようと考えるに至りました。「予防」の中でも特にせっけんを使った手洗いは、医学的にも感染症から自分の身体を守るための最も重要かつ基本的な方法とされており、誰もが簡単に行うことができます。ただ、知識を教育するだけでは、そのような習慣は中々定着しません。そこで今回は、「エンターテインメント」の要素を取り入れることで、楽しく学んで、身体で覚えてもらえたらといいなと考え、フェスティバルをイメージしたイベントを開催する運びとなりました。最初はクラウドファンディングをするとは思ってもいなかったのですが、このイベントのテーマソングを作ってくれているシンガーソングライター 兼 医師の橋本進さんを通じて、株式会社Medfeed代表取締役の荘子さんから「Medfeed×Fanfare Action」という医療系向けのクラウドファンディングを紹介頂きました。せっかくイベントをやるなら、大きく出てみたら?と、背中を後押しされる形で、Medfeed×Fanfareに参加することとなりました。カンボジアでは、治療を提供したくても、衛生面のリテラシーの低さから、そもそも治療を続けることが困難な方も多いです。カンボジアの現状はまだまだ、治療を安全に行うには十分であると言えません。子供の癌に対する抗がん剤治療でも、やはり感染症がネックになっています。
カンボジア滞在中に、自分の足跡を何かひとつ形にして残せたらなと思っていました。このプロジェクトの成功をきっかけに、カンボジアでも衛生保健事業を展開していけたらなと心の底から思っています。
松本 千慶
実際にはどのような人がこのプロジェクトにかかわっていますか?
進谷 憲亮
プロジェクトのリーダーは形上、一応、僕(進谷さん)ですが、病院スタッフ全員で取り組んでいます。
今回のイベントですが、予防医療・医療教育というテーマにエンターテイメントの要素を取り入れることで楽しく学んでもらおうと考えています。
そして、僕たち現地医療者の持つ、カンボジアの衛生状況や課題意識などの想いに賛同して下さったアーティスト、そして、映像制作者の方々がプロジェクトに関わって下さっています。しかも、ありがたいことに完全ボランティアで。
今回のプロジェクトの記念に手洗いに因んだオリジナルテーマソングを、僕自身が作詞して、橋本進さんらアーティストの方々が作曲をして下さいました!(https://www.youtube.com/watch?v=5-_j7EWT7fg&feature=youtu.be)他にも、現在、正しい手洗いを覚えるためのオリジナル手洗いダンスを作成して頂いています。
特にクラファンが決まってからはイベント自体が大きくなったので、関わる人の数も増えました。また、このプロジェクトを病院スタッフ全員でやりぬくことを通じて、絆を深めるきっかけになればいいなと考えています。

松本 千慶
なるほど。現地のスタッフさんが一丸となって進められているのですね。プロジェクト遂行にあたって、大切にしていることがあれば教えてください!
進谷 憲亮
やはり現地の人の価値観は、とても大事にしていますね。一方的に教育する形では絶対にうまくいかないですし、知識や観念の押し付けも当然良くないです。私たち日本人にとって正しいことが、必ずしもカンボジアの人たちにとっても正しいとは限らないので。現地スタッフに意見をもらいながら企画を進めています。
また、ただの楽しいイベントで終わってしまわない様に、スタッフ含め如何に習慣づけていくかを意識しています。病院内でも毎日決まった時間に手洗いソングを流して、スタッフと患者さんに手洗いを呼びかけることを習慣化したりしています。
松本 千慶
このプロジェクトに何を一番期待していることは何でしょうか?
進谷 憲亮
手洗いの文化、手洗いの大切さを多くの人に知ってもらうことですね。手洗いをすることで防げる病はたくさんあります。そのことをもっと知ってほしいですね。
カンボジアだけではなく、カンボジアでの現状を届けることで日本でも「予防」の意識を高めるきっかけにしたいと思っています。
松本 千慶
プロジェクト遂行にあたって、懸念していることがあれば教えてください!
進谷 憲亮
新しい試みですので、このイベントで本当に手洗いの文化をカンボジアで広めていけるのか、イベントの後も継続的に予防保健事業を行なっていけるのかといった懸念は勿論あります。でも、やらないと絶対に後悔しますし、できるかできないかではなくて、やるかやらないかだと思っていますので、口にしたからにはきちんと目標を形にしていこうと思っています!
あとは、お金ですかね(笑)。クラファンを利用するのは今回が初めてなので、どうなることやら。イベントが終わるまでは胃が痛いです(笑)。
松本 千慶
現地の人はこのプロジェクトに対して乗り気ですか?
進谷 憲亮
うれしいことに、皆さん協力的です!何でもやりたいけど、何をしていいかわからないといった感じですが。そこはプロジェクトリーダーの僕が舵を取っていかないといけないところですね。当初予定していたよりは大きなイベントになりそうですし、対
象が現地の人たちなので、僕たち日本人ではコミュニケーションが取れないので、当日は現地スタッフの子たちに頼りきってしまうことになると思います!

松本 千慶
現時点で多くの支援が集まっています、どんな気持ちですか?
進谷 憲亮
支援金以上に何よりも多くの方から応援メッセージを頂くことができて、とても嬉しいです!一つ一つのメッセージが本当に励みになっています。
自分たちの想いは間違っていないんだと、背中を押して頂いています!
クラファンをすることで、僕たちだけのプロジェクトが日本にいて応援してくださる方々と一緒に作り上げるプロジェクトになっている様に感じています!
目標額にはまだまだですが、現時点で応援して下さっている方々の想いを大切にして、プロジェクトを成功させるために頑張っていきたいと思っています。
松本 千慶
なるほど。準備がこれから大変になりそうですね。頑張ってください!最後に、今後の展望(帰国後のキャリア)についてお聞かせください!
進谷 憲亮
先ほども少しお話しさせて頂きましたが、2年間はもう少し東京の方で勉強させて頂きつつ開業の準備をして、3年後の北九州での開業を目指せたらと思っています。
実際には医師として川下(病院)で活動しつつ、NPO法人「地域医療連繋団体.Needs」の事業として、川の上流の医療(地域での予防保健事業や福祉介護事業)に携わっていけたらと思っています。
3年後の開業も、僕たちだけではなく、北九州市で暮らしている方々のニーズ・意見を取り入れつつ、地域全体で作り上げる医療機関を目指しています。
そうすることで、北九州市の医療にそこで暮らしている人たちにも当事者意識を持ってもらって、地域全体で担う医療の形を一緒に作り上げていくことができるのではないかと思っています。
松本 千慶
では最後に、言い残したことがあればどうぞ!後輩へのメッセージもありましたら、ぜひ!
進谷 憲亮
内を知るためには、外から見ないと、その良さはわからないと思います。その意味では今回カンボジアに来させていただいて、改めて日本の良い所および悪い所がよく見えるようになったと感じます。途上国はいい意味でも悪い意味でも、日本には無いものがあります。そういった意味では、日本のことが外にいながら良くわかるようになった気がいたします。
また、国際医療は地域医療の一つだと感じる様になりました。違いは言葉が通じないことくらいでしょうか。国際医療も地域医療も、医学的知識を一方的に提供するだけではなく、共に暮らすことで、人々の生活環境や社会背景、価値観を理解した上で、何が大切かを一緒に考えていく必要があります。
もっと言うなれば、国際医療や地域医療に限らず、医療というものはそもそもそういうものなんだと思います。
医学生に向けたメッセージですが、医学部の授業はもちろん大切なのですが、前に述べた様に医療は医学だけでは成立しません。医学部在学中にどれだけ多くの分野のいろいろな人と関わることができるかが、医療者になる上でもとても大切なことだと思っています。良くも悪くも医療業界は狭いので……。
在学中に、ぜひいろんなことを経験してみて下さい!経験したこと全てが必ず医療に繋がっていきます。趣味を思いっきりやるでもいいです。休学して医者になるのを1年遅らせることなんて、大したことではありません。数年後、良かったなと思える日が必ず来るはずです。ぜひとも視野を広げて色々なことに挑戦してみて下さい!それから、医師になることは通過点でしかありません。大切なのは、医師になってから何をするかです。専門医などもそうです。専門医制度も大きく変わりつつあり、不安に思う方もいるかもしれませんが、それに不必要に振り回される必要はありません。大切なのは資格を取ることではなく、何をしたいかです。そこをしっかり持って、自分にとっての必要性を理解できれば、制度に振り回されることなく、自分の意思で自分の道を決めることができると思います。最後に、今まさに何か目指していることがあるならば、周りからの声に振り回されず、自分の声を信じてがむしゃらにやってみて下さい!どんな人生の選択も、人のせいにしない。どんな結果になろうと、選択するのは他の誰でもない自分自身です。それを意識することが大切だと思っています。
松本 千慶
進谷さん、本日は長い間インタビューにお付き合いくださり、ありがとうございました!
プロジェクトの成功を心の底から祈っております!!

<INOSHIRUスタッフより>

私がまさに将来叶えたいことの一つである、「予防医療を世界に」を実現されている進谷さんは、とてもかっこいいなと素直に思います。私も精進いたします。

こちらのサイトには、進谷さんが中心となって企画されているプロジェクトの内容並びに活動報告が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

クラウドファンディングを通じて支援してくださる方は、こちらのページからよろしくお願いいたします!

<予防医療×エンターテインメント> Japan Heart Handwashing Project ~カンボジアに予防医療を広めるプロジェクト~

 

執筆者:松本千慶(東京医科歯科大学 医学科5年)

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