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私の通うビジネススクール Hult International Business School について

  • 著者: 村上 武志 (北海道大学医学部 5年生)
  • 投稿日:
  • 国名: /
  • 派遣先機関:Hult International Business School
  • 留学目的:ビジネススクールへ留学

こんにちは。現在ボストンに留学中の村上です。

2018年8月に医学部5年次を休学し、経営大学院に留学していました。

よくビジネススクールでは何を習うの?実際学んだことはどう役に立つのか?という質問を受けるので、そこに関しても説明したいと思います。

 

よく間違われるので誤解がないように、先に断っておきます。私の取っている学位はMBA(master of business administration)ではなくMIB(master of international business)というものです。学校側の説明では『職務経験が三年未満の学部既卒生向けを対象に経営学を教える修士プログラム』という位置ずけであり、MBAとは異なります。

またビジネススクールでもいろんなタイプの特色があり、以下の内容は全てのビジネススクールに共通するものではありません。

あくまで個人的な経験に基づいていることをご了承下さい.

 

自己紹介:なぜ私がHult International Business Schoolに通い始めたのか

自己紹介も兼ねましてなぜ本校に通ったのかという事を記したいと思います。

元々発達障がいを持つ患者さんの生活の向上に興味があり、在学中にバイトで特別支援学級に通う子供達を教えていました。

教える中で絵や図など、視覚的な情報で学ぶ方が得意な子がいる一方で、歌や語呂合わせの方が覚えやすい子がいることに気付きました。そこでその認知の差を特性として、優位な認知形態に合わせたタブレットを開発できれば面白いのではないかと考えていました。臨床現場だけでなく患者さんの生活の課題を解決する手段としてビジネスがあることを知り、その一歩を踏み出したいと思いから、休学を決めHult International Business Schoolに通うことに決めました。

*留学後の進捗については、これからもtwitterで発信していこうと思っています。

(2020年7月からアカウントを変えました。)

    twitter アカウント:https://twitter.com/takeshimrkm

 

Hult InternationalBusiness Schoolについて

<Hult International Business School>

 

まずは抜粋から…

1964年に世界最初の経営戦略コンサルティング・ファームであるアメリカのアーサー・D・リトルによって設立された。同校はボストン、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、ドバイ、上海でMBA課程のスクールを運営している。2003年に学校名を変更したため、Hult international Business Schoolとしての歴史は浅い

特徴としては(websiteを和訳)

  1. 1年制のMBAプログラム
  2. 国際的な環境(60を超える国からの学生 )
  3. 6つのキャンパス(ボストン・ニューヨーク・サンフランシスコ・ロンドン・ドバイ・上海)
  4. ケーススタディやプロジェクトを組み込んだ実践的教育法 (アクション・ラーニング)
  5. 現役コンサルタントによる講義
  6. 120カ国、10,000人以上の卒業生ネットワーク

 

ここに書いている通りこの学校の特色の一つは世界に展開する学校であるということです!

驚くことに、全校生徒数のうちボストンにある学校ではアメリカ人が10%しかいません。

生徒の出身地としてはヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア、アフリカの順に多く、

世界中の人に会うことができます。いつか世界一周して、全ての国の人に会ってやろうと思った私の夢は、ここでかなりゴールに近づきました。

<授業の様子>

 

履修した学科について

Master of international business

本校のMBAは25歳以上で3年以上のフルタイムの職務経験がある事が基準なのに対して、MIB(master of international business)は学部を卒業した人が行く事ができるコースです。

名前としては国際ビジネスになるのですが、他のFinance,やMarketingの学科と比べると専門というよりは経営に必要な知識全般を学ぶことが多く、学校の先生方曰く、『MBAに入れない若年者向けのMBA』という位置付けです。

 

授業について

1年間の授業は5学期に分かれていて、Module A-Eと名前が付いています。

大きく分けるとModule A・Bがインプット、Module Cがアウトプット、D・Eがそれぞれの好みで選べる感じになっています。

AではEconomics、Accounting、Strategy、Project Management、BではMarketing、Critical Analysis, Future Mindset,Financial Management、CではHult Business Challenge という授業として取り組むビジネスコンペティション、もしくはコンサルタント業務体験、DおよびEは選択授業かもしくはインターンシップになります。そして1年中leadershipの授業があります。

 

結局何が学べるのか?

実践的な内容を学ぶことが多かったです。

アカデミックに深く掘り下げるというよりは、命題をどれだけ広く違う分野に応用させられるが授業の中では問われているなと思いました。

幅広く分野に対する知識を持ち合わせる必要があり、理系の分野で深く掘り下げる方を学んできた身からすれば新鮮でした。。

またソフトスキルとしては、多様な価値観を持つメンバーをまとめる能力が身についたと思います。

基本的には集団授業は半日で終わり、残り半日はチームで課題をこなします。

基本的にずっと6人グループで課題を行うのですが、チームは学校側から意図的に出身地域が異なるメンバーで組まれています。そのため、文化や前提条件や授業に対するモチベーションは驚くほど違い、衝突や誤解があったりして、議論が難航することもあります。

2時間で終わるタスクのはずなのにそもそも伝えるのに2時間かかってしまったり、タスクの進め方で意見が食い違ってしまい怒鳴り合いの喧嘩になったりもしました。

結局は決められた時間の中でチーム全体でのアウトプットが求められるので、如何にして自分の意見を伝えつつ丸く収めるかといったような工夫と忍耐力は身についたと思います。

<ModuleB でのチーム 最後の授業でのプレゼンテーションの後>

 

課外活動について

学校側からは色々な活動が用意されています。

およそ週に二回程度の頻度でセッションがあったり、その他色んなイベントがあったりしました。

 

ネットワーキングイベント

いかに広く世界中から来ている同窓生や卒業生と結びつくかということもしっかり見据えた、同期での輪を広げるようなイベントが多いです。

またボストン校には下の食堂が夕方にはバーになりお酒が提供されるので、よくミーティング後にクラスメイトと一杯飲みにいったりしました。

 

インターナショナルディ ~文化体験~

これこそ本当の意味での『文化祭』かもしれません。

それぞれの文化を尊重して他の国の同期に伝えよう、という目的のも各国の祝日の日にホールでその国の生徒が集まりイベントを企画をします。

中国の新正月、インドのdweli dayから他ヨーロッパやラテンアメリカのお祝いがありました。

お祝いでは食べ物を作ったり、踊ったり、パフォーマンスをしたり様々で、各日には学校にある広間でそれぞれの食べ物が並べられたり、踊りが繰り広げられていました。

 

<文化祭の様子>

 

部活動(club activity)

主に二つの部活があります。

それぞれの目指すキャリアで結成する部活、もう一つが同じようなスポーツや趣味で楽しむクラブです。

前者ではコンサルティングクラブ、起業家クラブ、ファイナンスクラブ、マーケティングクラブなどがあり、日々勉強会を開いたり、有名な専門家を読んできてセッションを企画したりします。

後者ではサッカーが圧倒的な人気で、他にはサルサクラブなどがありました。

 

キャリアサポート

また、多くの大学院の期間が2年であるのに対し、本校では1年間で学位が取れる分、卒業後アメリカで働きたいと思っている学生はずっと就活をしています。

その分、9月に始まり翌年8月までぎっしり授業が展開されていて、また就活モードです。

 

ハッカソン、コンペなど

学校側がハッカソンやビジコンなどを催しています。

Hult Prizeのような学生ベースでやるものもあれば、企業とコラボして行うようなものもあります。

僕がいた頃にはKeva health という企業が遠隔診療のアプリを開発し、そのマーケットプランを学生側で考えるというコンペもありました。

<コンペの様子>

 

その他

上記以外にも、全て把握できないほどの学校主催、クラブ主催のイベントが本当にいっぱいあります。

また面白かったのは、食堂が企画して行うフィードバックセッションというものです。

多くの学生がそれぞれの分析を展開しどうすれば売り上げが伸びるかということについて真剣にコメントしていました。

その見返りに食堂はワインや食べ物を無料で提供していました。

<食堂の人に自分の意見を伝える友人>

 

役に立つのか

『終了後こういう事を成し遂げたい!』という目的意識がある人にはとても価値があると思います。

学校では毎週いろんなセッションを提供してくれていて、主体的に学ぶ姿勢があれば色々な業界の人と繋がる事ができますし、多くの学びがあると思います。

またキャリアサポートも素晴らしいので、アメリカでとりあえず就職したい!という方にも向いていると思います。

逆に何もしなければ授業だけで終わってしまいますし、その授業も実体験に結びつかなければ、数年後も頭に残っているかというと怪しいと思います。

また立地的にも、ボストン、サンフランシスコともに学外のイベントなどが広がっている場所ですので、本当に学ぶ意欲と飛び出していく勇気さえあれば、そこに知識とチャンスは広がっています。

 

医療系の学生について

やはり学部時代にビジネスに関係する科目を専攻していた人が多いですが、医療系の学部を卒業した人もいます。薬学部出身者がMIBには学年では数人いて、MBAには医者が2人いました。

医学部出身である自分は、専門を持っている貴重な存在としてヘルスケア系のテーマでプロジェクトをする人たちからヒアリングされる事が多かったです。

 

質問などー連絡先―

もし、こういう事が知りたい、などあれば TwitterのDM、もしくはメールでご連絡をください!

できる範囲で個別に相談にも乗りたいと思います。

連絡先

twitter ID: takeshimrkm (https://twitter.com/takeshimrkm)

メールアドレス:kirishimath@gmail.com

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