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若者のアイディアで世界を変える! 〜Be a Change Maker, Meet change makers〜<中編>

  • 著者: 児玉 ありす (東京医科歯科大学医学部 4年生)
  • 投稿日:
  • 国名:
  • 派遣先機関:ドミニカ共和国
  • 留学目的:Hult Prize海外地域予選大会への参加

東京医科歯科大学4年の児玉ありすです。

私は、昨年度、東京医科歯科大学でHult Prize を開催するにあたりCampus Directorとして学内大会を主催させていただきました。

(Hult Prize,学内大会については、合わせてこちらもご覧ください。)

ドミニカでの経験について書かせていただく前に、なぜ医科歯科でHult Prize を開こうと決意したのか、お伝えしたいと思います。

 

なぜ医科歯科でHult Prizeを?

医学部生がビジネスコンテストに参加する意義は何なのか、疑問にもたれる方が多いと思います。

私も、初めてHult Prize を医科歯科でやってみないかと声をかけていただいたとき、医療系大学で取り組むには不向きなプロジェクトなのではないかと思いました。

しかし、Hult Prizeがどんなものなのか知るにつれ、気持ちは変わっていきました。

 

Hult Prize は、社会起業家を輩出するプラットフォームとしての役割を果たしています。

社会起業家とは、教育、医療、経済など様々な分野における社会問題の解決を目的として、ビジネスの手法を用いて、持続可能な社会変革を成し遂げようとするものです。

社会問題の解決といえば、非営利団体が主に担っているというのが私のイメージでした。

非営利団体の運営資金は、主に寄付金で賄われています。

資金調達が不安定という問題は、最終的な目的達成の大きな足かせともなってきます。

そうした問題点を、利益を最終的な目標としないビジネスの手法で乗り越えていく社会起業家という存在を知って、私はこれからの未来の社会問題解決の基盤がここにあるのではないかと感じました。

 

未来の医療従事者として

社会問題に関心を持つことは、医療従事者としてとても大切なことである、と私は思います。私たちは医療者として、社会の中で様々な環境に置かれている人と向き合っていかなければなりません。生活と密着した医療というサービスを、それぞれの方に合った形で、届けなければなりません。今世の中にどんな問題が潜んでいるのか、人々が何に困っているのか。自分のコミュニティにとどまっていてはわからない情報を、きちんと知っておく必要があるのです。そうして人々の生活を多面的にとらえることができるようになれば、この社会のための医療がどうあるべきか、自分の頭で考えられるようになると思うのです。

 

世界中の若者が集まる場としての魅力

さらに、Hult Prize は、毎年SDGsのゴールに基づいたテーマを設け、世界中の若者からビジネスアイディアを集めています。SDGsで提示されている課題に対して、現状どんな問題があるのか学ぶ機会はあります。しかし、それに対してどんな解決策があるか具体的に考える機会というのは、こうしたコンテストに参加するのでもない限り、なかなか訪れないのではないでしょうか。それどころか、自分たちでこうした社会問題を解決できる可能性というものにさえ、気づくことができる機会はないのではないか、と私は思いました。自分のアイディアを現実化できる可能性の提供は、本当は何かを変える力がある多くの人が、社会の現状を、「まあこんなもんだよね」と妥協して生きていくのではなく、変えるべき現実と出会ったときに行動に移せるきっかけとなる、と考えたのです。

 

<SDGs(持続可能な開発目標)>

 

これから医療者として社会に出ていく中で、何か問題に直面したとき、主体的に良い方向へともっていこうと動ける人になりたい。そんな人が同じ大学の仲間にたくさんいてほしい。

そんな思いでHult prizeをやってみようと決心しました。

 

準備から開催まで

私が初めてHult Prizeについて聞いたのは昨年7月。そこから参加者集めや審査員集め、ワークショップの開催など、多くのの方々にご協力いただき、12月の学内大会を無事に開催することができました。この大会には9チームが参加し、5人の審査員の方が審査してくださいました。その他、当日ボランティアとして約10名の学生が手伝ってくれました。これまで運営や企画などの経験は全くなかったので、準備の半年間は本当に大変なこともたくさんありました。つたない部分が多々あったにも関わらず、企画に賛同し様々な形で協力してくださったすべての方々に、心から感謝しています。

 

<学内大会の様子>

 

学内大会に参加した9チーム中、見事優勝を勝ち取ったのが、<前編>でご紹介させていただいたMEDIというチームです。

学内大会の優勝チームには、海外予選への参加権が与えられます。

海外予選に行けば、世界中の若者が、同じ一つの課題に対してどのように向き合っているのか知ることができる。この社会をより良いものにしようと行動している世界中の仲間とつながりを持てる。これらの点も、私がHult Prizeに感じた大きなメリットでした。

今回、MEDIの臨む予選会場(ドミニカ共和国サントドミンゴ)にゲストとして招いていただき、私も世界の若者のパワーを目の当たりにするチャンスをいただきました。

 

次の記事にて、MEDIと私のドミニカ共和国での経験について共有させていただきます。

 

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