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人々をより健康的な食習慣へいざなう情報発信とは 〜最先端の食の発信地・ニューヨークで得たヒント①〜

  • 著者: 谷本英理子 (東京医科歯科大学医学部卒)
  • 投稿日:
  • 国名: /
  • 派遣先機関:コロンビア大学
  • 留学目的:臨床留学

東京医科歯科大学医学部医学科6年の谷本英理子です。「食・栄養学の情報発信をする医師」を目指す上で必要なスキルと経験を得るため、2月17日から3月10日までアメリカ・ニューヨークにあるコロンビア大学の臨床栄養学分野にて実習をしています(詳細はプロジェクトをご覧ください)。

 

臨床現場で患者さんの栄養管理を学ぶ日々を過ごしていますが、今回の留学におけるもう一つの大切な目的、それは「ニューヨークの食事情の調査」です。

 

私の大食漢ぶりを知る家族や友人から、「結局グルメの旅かい!」と怒声が飛んできてしまいそうなので、今回はその弁明も兼ねたコラムを、、というのは冗談ですが、特に「ヘルシー」という観点で進化を続けるニューヨークの食の模様をお届けしながら、食の情報発信のあり方について考えを共有させていただければと思います。

 

食の発信のあり方とは

医療や健康にまつわる情報の中でも、テレビやオンラインの記事などで取り上げられることが特に多い「食」の話題。しかしそれらの情報は本当に、人々がより自分の健康状態に合った食を選ぶような助けになっているのか、というと、必ずしもそうではないと思います。

 

メディアを通じて発信される情報は、幅広い年齢や性別のマスに向けられたものである以上、どうしても理論や概念に傾倒します。しかし、管理栄養士や医師をはじめとした専門家が頭ごなしの理論を振りかざした所で、たとえそれがメディアを通じて分かりやすく噛み砕いて説明されたものだとしても、健康に配慮した食を実践した経験がない人々にとっては机上の空論で終わってしまいます。

例えば、外食中心の生活を送る便秘に悩む人が「食物繊維を取ると便通が改善する」という理論を理解することと、具体的にどのような食品をどのような調理方法で摂るのが良いのか、その食品が近所のスーパーで手に入るのか、外食をするならばどのような飲食店でどのようなメニューを注文すれば良いのかを知ることは、全く別の問題です。

 

そこで、真に人の食行動を変えることができるのは、「理論+α」という一歩進んだ情報発信ではないかと感じています。

このαに相当するのが、「情報の受け手が自ら選べる、具体的な食の選択肢」です。

 

ニューヨークの街には、食のオプションが溢れています。

医療という視点や健康面へのエビデンスの有無はここでは差し置き、ここでは日本との違いを感じ取っていただけましたら嬉しいです。

 

「アメリカンフード≠不健康・太る」〜世界最先端の食の発信地・ニューヨーク〜

アメリカンフードというと、ハンバーガー、ピザなど「脂ギトギト、高カロリー」というイメージが付き物ですが、実はニューヨークでは、全く逆の流れが生まれています。街には「ヘルシー」をコンセプトにしたスーパーマーケットや飲食店が立ち並び、冷凍食品からデリフードまで、手頃な価格で健康に配慮した食品を手にすることができます。

 

アメリカ全土にチェーン展開しているヘルシー志向のスーパーマーケットといえばWhole Foods Marketが有名ですが、

<HEALTHIEST>

巷に立ち並ぶごく一般的なスーパーでも、「ヘルシー食」の選択肢は枚挙にいとまがありません。

 

豆腐に至っては、形状も硬さも日本以上のバラエティが取り揃えられています。

<tofu shirataki>

 

<tofuの品々>

豆腐の硬さは、絹、木綿だけでなく、更に細かく4段階ほどに分類されています。

 

日本でも注目されつつあるビーガン(完全菜食)・ベジタリアン、グルテンフリーといった新たな食スタイルの波が最初に訪れたのもアメリカです。

 

 

 

<Vegan foods>

乳製品を使用していないビーガンチーズに、

<大豆使用のハムやベーコン>

一見普通のお肉のように見えるハム、ベーコンなども全て大豆などを用いたplant-based(植物由来)。

 

クラッカーやクッキーなど、元来小麦粉が欠かせなかった食品も今やグルテンフリーの選択肢が勢揃いです。

<グルテンフリーのクラッカー>

何と、こちらの棚にあるのは全〜部グルテンフリーのクラッカー!

<全部グルテンフリー>

 

<グルテンフリーのベーグル>

<グルテンフリーのパン>

カジュアルなカフェにも、レジ横にグルテンフリーのクッキーやパンが。

 

食の選択肢を提示する

更にニューヨークでは、人々がこれらの多彩な食の選択肢を知り、自ら選び取ることをアシストする仕組みもとても充実しています。

次回の記事では、個々の飲食店のメニュー表示からアプリを用いたマスへの発信まで、画期的な食の発信方法をご紹介します。

 

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