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トーマスジェファーソン大学でのClinical Skills Program

  • 著者:千葉 馨(北海道大学医学部6年生)
  • 投稿日:
  • 国名: /
  • 派遣先機関:トーマスジェファーソン大学
  • 留学目的:臨床実習

一問一答コーナー

名前:千葉馨(Kaoru Chiba)
所属大学・学年:北海道大学6年
留学先の国:アメリカ
留学先の大学(機関):トーマスジェファーソン大学
留学の期間:5年/2019年3月
留学の目的:臨床実習
留学の費用(概算):25万円
-学費:なし(財団負担)
-家賃:5万円
-生活費:5万円
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど):保険約1万円、航空券14万円
プログラム(仲介してくれた機関/人):野口医学研究所
利用した奨学金:なし
VISA:大学寮
保険:ESTA
留学中の住まい:海外旅行保険

プロフィール

旅・国際交流が好きで、現在まで約50ヵ国を旅や海外臨床留学で訪問。将来は世界の様々な場所で内科、感染症、公衆衛生の視点から地域の医療水準を上げ、人々のQOL向上に貢献したいと考えている医学生。

サマリー

・1週間という短い期間だが、カリキュラムが練られていて学びが最大化されていると感じた。
・アメリカの医療現場を見てみたい人には絶好のチャンスだと思う。
・大学病院にとどまらず、ホームレスや移民向けの医療施設も訪れる機会があり、アメリカの医療を多角的に見ることができる。

Q1. 留学中にカリキュラムで学んだことについて

内科、家庭医療科、各専門内科(呼吸器内科、消化器内科、神経内科)、救急科、小児科というgeneral系の科を中心に、それぞれを半日~2日かけてローテーションした。加えて、内科の先生による病歴聴取、心音聴診のレクチャーが2コマと、移民やホームレスのための無償医療施設の訪問も含まれていた。以下、それぞれの場所で体験したこと、学びをまとめていく。

・内科:症例検討会での臨床推論、回診でのシャドーイング、昼カンファ(関節痛の鑑別)
➡鎌状赤血球症などアメリカで頻度の高い疾患の患者さんを診て、アテンダントの先生に質疑できたのは貴重な学びだった。

・家庭医療科外来:医療面接や身体診察の見学、アメリカの外来の形式
➡オブザーバーシップなので患者に触れることは一切できないが、先生による問診、身体診察、カルテ記入、上級医へのコンサルテーションを見ることができた。患者が先に診察室に入り待機している点も日本と異なる点であった。

・呼吸器内科外来:呼吸音聴取、肺X線所見の解釈と英語での表現
➡呼吸音聴取の際の患者への声かけ、診察や検査所見を患者、上級医にどのように伝えるべきかを学んだ。

・救急科:DNAR取得の実際、レジデントによる病歴聴取や上級医へのプレゼン、アメリカの救急システム、多様な患者への対応

・レクチャー:心臓の診察、病歴聴取など
➡模擬患者に対して実際に質問することを通して病歴聴取の基本を学ぶことができた。

・チャイナタウンクリニック訪問:中華系移民に対する問診、検査結果説明、モバイルエコーの練習

・小児科:米国における乳幼児定期健診の実際

Q2. カリキュラム以外の、留学先ならではの現地での生活について

トーマスジェファーソン大学の医学生2人が集合場所への案内や日常生活での面倒を見てくれた。一緒に食事や遊びにも行く機会があった。
トーマスジェファーソン大学にいらっしゃる日本人医師・研究者、日本事務局の方々とも交流があった。

Q3. なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか

-場所について
私自身将来アメリカで公衆衛生を学んだり臨床に従事したりすることも考えており、学生時代に一度アメリカの医療を体験したいと思ったから。

-期間について
たった5日間だが、全身を見る科(内科、救急科、小児科)を中心に、アメリカの医療現場がどのように動いているのかをざっと見てみることはできたと思う。

Q4. 留学に至るまでの準備について

2018年10月に選考会受験の申し込みをし、11月に応募書類(日本語の履歴書、英語のCV、Personal Statement、IELTSなどの英語試験結果)を提出、12月に東京にて面接試験を受験した。

12月下旬に合格通知、12月26日に研究所・スカイプ両方にて説明会、2019年1月24日に予防接種・抗体検査結果提出、1月31日にトーマスジェファーソン大学から要求された同意書など提出、2月8日に航空券、保険提出、3月22日オリエンテーション、歓迎会、3月25日~29日研修、4月15日に研修レポート提出。

Q5. 準備、留学中の両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点

科によっては先生が忙しくしていたり配属時間が短かったりして、聞きたい質問をすべて聞くことができなかった。事前にある程度その科に関する質問を用意しておくべきだったと思う。
鎌状赤血球症、ジベルバラ色粃糠疹など日本ではまれだがアメリカでは比較的稀ではない疾患に関して、最低限の基本的知識をもって臨みたかった。

Q6. 留学していた場所について

フィラデルフィアはニューヨークとワシントンDCの間に位置する、アメリカ建国においても重要な、歴史的な街である。トーマスジェファーソン大学だけでなくペンシルベニア大学など複数の大学が拠点を置き、チャイナタウンクリニックでの実習ではそういった他大学の医学生とも交流する機会があった。

Q7. 留学中どのような人とかかわったか

トーマスジェファーソン大学の医師、ナース、NPなどの医療者、医学生(特にエスコートしてくれた学生2人)、チャイナタウンクリニックではペンシルバニア大学の医学生。

Q8. 英語の能力はどう変化したか

一週間なのでそこまで劇的な変化はなかったが、疾患や診察法に関する知識や経験を積んだことによる成長はあったと感じている。

Q9. 留学のメリット/デメリットについて

-得たもの
・アメリカの医療のイメージ
・同じく研修に参加した日本の医学生、現地の医師や医学生とのつながり

-失ったもの
特になし。

-得られなかったもの
基本的に病院内ではオブザーバーシップのみなので、自らが患者さんに触れられる臨床実習ではなかった。

Q10. 現地で苦労した話について

一つ一つの科、カリキュラムが短時間なので、その中でたくさんのことを学ぶことは難しかった。事前準備が不可欠だと感じた。

Q11. 留学について意識し始めた時期とそのきっかけ

5年の9月頃に野口医学研究所のホームページにて募集内容、昨年の実際の研修内容を見て、コンパクトでありながらも密度が濃い研修だと思ったため応募した。

Q12. 留学後の展望について

医療の内容自体に日米に大きな違いはないが、症例数が多かったり、研究施設が整っていたりと、将来自分の専門を深く突き詰めたいと思った時に、アメリカは絶好の場になるのかなと感じた。今後もいくつかの国で臨床実習する機会があるので、それらを通してアメリカの特徴、強みがより一層分かってくるのではないかと考えている。

Q13. 最後に一言(後輩へのメッセージなど)

実習の期間が短いにもかかわらず内容が練られており、楽しめる実習だと思います。アメリカの医療現場のイメージをざっくりでも持つことができるので、今後長期での米国臨床実習を考えている医学部4,5年生には非常におすすめです。また、選考会、研修を通して、自分と同じような考えや目標を持った人から異なる分野で頑張っている人まで多様な仲間に出会えることも魅力の一つだと思います。もしこれを読んで気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ野口医学研究所のホームページをチェックしてみてください!

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