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医療システムの違いを感じた英国実習

  • 著者:瀬口 京介(近畿大学医学部 6年生)
  • 投稿日:
  • 国名: /
  • 派遣先機関:Imperial College London
  • 留学目的:臨床実習

一問一答コーナー

名前瀬口 京介(KYOSUKE SEGUCHI)
所属大学・学年近畿大学6年
留学先の国イギリス
留学先の大学(機関)Imperial College London
留学の期間5年生次の3月の2週間
留学の目的Chelsea and Westminster Hospital小児外科での実習
留学の費用(概算)約10万くらい
-学費大学から支給
-家賃大学から支給
-生活費約10万円
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど)大学が全て準備してくれました
プログラム(仲介してくれた機関/人)大学のプログラム
利用した奨学金なし
VISAなし
保険大学側が準備
留学中の住まい大学が手配してくれたホテル

プロフィール

医療にかかわる様々な事に興味があり勉強中です。趣味は海外一人旅で6年間に15か国くらい回りました。これいままでに、厚労省やヘルスケア企業など色んなところでにインターンを行ったにいったり、海外にボランティアに参加いっしたり足を運んで使って現場で学ぶ事を大切にしてきました。これまではインプット中心の学びが中心でしたが、イノシルのまのちゃん(荘子万能さん)に触発され、これからは色んな事に挑戦して積極的にアウトプットしていこうと思っています!

サマリー

・留学中の苦労はかけがえのない経験

・医療のシステムの違いも意識してみよう

・色んな視点を持って街を観光してみよう

Q1. 留学中にカリキュラムで学んだことについて

・大学のクリクラでは学べなかった小児外科の主要疾患について学べた。

・英語での問診の取り方や診察の仕方について学べた。

・英語で担当患者さんの状態を端的に説明する方法について学べた。

Q2. カリキュラム以外の、留学先ならではの現地での生活について

・イギリスは2度目ですが改めてロンドンは街自体が博物館みたいで美しい街だなと思いました。

・ご飯は微妙なお店も多いですが美味しいところもありました。

・物価が高くて辛かったですが、冷静に考えると日本がデフレなのかと思いました。

Q3. なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか

ー場所について

大学のプログラムで留学できるのはイギリスかベトナムのどちらかでした。

英語に苦手意識があるのであえてイギリス留学に応募する事で英語学習のプライオリティを上げようと思いました。

ー期間について

指定の期間が2週間でした。

Q4. 留学に至るまでの準備について

自分の大学で留学プログラムができてから、僕たちの代が2代目でした。

選考が終わり、まずはアメリカでの臨床経験のある外国人医師の先生にお願いをして、英語で症例検討会やプレゼンを行う勉強会をつくり、英語に多く触れるようにしました。

Q5. 準備、留学中の両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点

プログラムが実際にどういったものなのかという情報が私たちに引継がれておらず、行ってからかなり苦労しました。イギリス英語とアメリカ英語では言い方が異なるものも多いので、Theatreがオペ室を意味していると気づくのにも苦労しました。

実は、実際に行ってみるまでは小児外科で実習するという事も知らなかったので小児外科の事前勉強が不十分でした。

自分は毎日カンファレンスで配られるハンドアウトをホテルに持ち帰り、患者さん毎にどのような疾患に罹患しているのか、病歴はどうか、術後経過はどうか、現在のプロブレムは何かなど、カルテと照らして追っていきました。はじめの1週間はわからない事が多すぎて積極的に入っていけず苦労しましたが、2週目にはだいぶ病棟の状態も把握できるようになり、担当患者さんを持たせて頂き、積極的に学べるようになりました。

Q6. 留学していた場所について

実はあまりロンドンっぽい事は出来ておらず、有名な観光地にもあまり行きませんでした。

実習最終日に他の学生達と打ち上げでShoreditchというシャレた街に行きましたが、ストリートアートやらおしゃれなオブジェが色んな所にあって、かなりインスタスポットでつかの間のロンドンボーイを体験する事ができました(笑)

Q7. 留学中どのような人とかかわったか

Imperial College Londonの学生たちはローテーションで回ってくるのでいろいろ助けてもらいました。忙しい先生たちに質問するのは気がひけるときがありますが、学生同士なので質問しやすかったです。あと病院にImperial College London麻酔科教授の高田先生がいらっしゃったので、時間をとってお話しする機会を頂きました。

Q8. 英語の能力はどう変化したか

TOEICなどは受けてないのでわかりません。

日常生活は問題なく過ごせましたが、外来での先生と患者さんの会話を理解するのにかなり苦労しました。カンファレンスも初めはなかなか理解できず大変でしたが、ひたすらわからない言い回しや単語を調べ続けていると、意外にカンファレンスで使われる表現などは限られていると気づき、2週目には理解できるようになってきました。

Q9. 留学のメリット/デメリットについて

ー得たもの

・かけがえのない経験

・英語力の向上

・自分で問題を解決する力

・対応力

・外国人とつきあうコミュ力

 

ー失ったもの

・お金ですね。友達は地下鉄でスリにあいかけたので注意してください。

 

ー得られなかったもの

・外国人の彼女?笑

Q10. 現地で苦労した話について

2週間という短い時間でチームに受け入れてもらうという事に苦労しました。

当然ですが、Imperial College Londonの小児外科は人数も多く、忙しい中で、英語も流暢でない日本の学生が勉強しに行ってもあまり相手にされず、みんな悔しい思いをしていたと思います。自分たちで毎日ホテルでカンファレンスを開いて、して2週目で少しついていけるようになり、学生へのティーチングでもImperialの学生達に交じって発言できるようにもなりました。最終的に2週目は病棟の患者さんも当てて頂き、最終日は多くの医局員の先生方の前で症例発表し、部長から恐縮にもこの2週間の成長に感動したと言っていただけました。部長もインド出身で海外の医学部に進学し、大変苦労された方で僕たちの苦労を大変理解してくれていました。最終的に部長から研究のお話も頂き、1年以上がたった今でも関係は継続しています。そういった苦労もかけがえのない経験だったなと感じています。

Q11. 留学について意識し始めた時期とそのきっかけ

医学部に進学する前から留学は意識していました。グローバル化を常に意識し、英語学習に目的を持つためにも留学は重要ですし、何より留学で外に出て初めて気付く事も多いと感じたからです。

Q12. 留学後の展望について

イギリスで学んだ事でもう一つ貴重だったのはNHSというイギリスの医療システムについて学べた事です。日本とシステムの異なる国で医療を学ぶ事で日本の医療システムの良いところや悪いところについても考えるようになりました。これから研修医になるにあたり「Think globally, Act locally」を改めて意識しようと思います。

Q13. 留学へ行く前の自分へのメッセージ

正直もっと英語を勉強すればよかったです。(笑)

Q14. 後輩へのメッセージ

学生の時は積極的に留学にチャレンジする事をお勧めします!

医師になってからは学位をとるためであったり、キャリアチェンジのためだったり、論文を書くためだったり明確な目的やビジョンが大事だと思いますが、学生時代はいろんな事を考えて留学を諦めるくらいだったら、とりあえず行ってみるという事が何より重要だと感じました。キャリアの多くの部分は偶発性によって決まると言われていて、それならキャリア形成に重要なのはそういった偶発性をいかに計画するかという事だと思います。

僕は正直、イギリスの留学プログラムに応募した理由は「英語」という単純な動機ですが、行ってみて学べたことや経験できたことは留学前に僕が想像していた以上のものでした。そこで感じた事や学んだ事が将来の目標やビジョンに繋がってくると思います。

とりあえず行ってみる、その一歩が大事だと思います。

Q15. その他、言い残したことがあればどうぞ

イギリスと言えばBrexitですね。色んな人に意見を聞きましたが、やはりシビアな話でみんなあまり答えてはくれませんでした(笑)

イギリスのホテル料金は高いなーと思っていたら、ロンドンは景観維持の為に建築物の高さに制限があるため、縦に伸ばせないので地価が高いみたいで、住宅不足が深刻みたいです。空きスペースを有効活用するためにコインパーキング大手のTimesなどが進出しています。日本の弁当宅配サービスもイギリスで人気がでてきているようです。以上、余談でした。(笑)

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