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Volunteer activities in Nepal

  • 著者:花城 真由(島根大学医学部 3年生)
  • 投稿日:
  • 国名: /
  • 派遣先機関:ネパール
  • 留学目的:インターン・ボランティア

一問一答コーナー

名前花城 真由(Mayu Hanashiro)
所属大学・学年島根大学・3年
留学先の国:ネパール
留学先の大学(機関)
留学の期間医学科3年次、7月31日〜8月25日
留学の目的:ボランティア
留学の費用(概算)38万円
-学費0円
-家賃17万円(家賃、3食の食費、保険費こみ)
-生活費観光費6万円
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど)航空券12万円
プログラム(仲介してくれた機関/人)ICYE-Japan
利用した奨学金:なし
VISA30日以内で60ドル
保険損保ジャパン(ICYEで契約してくれる)
留学中の住まいゲストハウス、孤児院

プロフィール

1995年沖縄県出身。

趣味は散歩、弦楽器の演奏。タコライスは得意料理。

ゾウが好き。

サマリー

・英語をもっと普段から喋って、コミュニケーションを取れるようにしておかないといけないことが身に沁みて分かりました。

やりたいと思うことがあったらまずは相談してみることが大切だと思いました。

・自分自身の宗教をもっと理解すること、相手の国の宗教や歴史について学ぶことの必要性を感じました。

Q1. 留学中にカリキュラムで学んだことについて

最初の2週間は首都の病院でインターン、後半の2週間は孤児院で住み込みのボランティアを行いました。病院ではERにずっといて、運ばれてくる患者さんのバイタルサインをとったり、心電図をとるお手伝いをしながら、その合間に手術室で手術を見たり、病理部を見学をしたりしました。何がしたいかを訊かれ、その希望に応じてできる限り対応して下さり、基本は医療現場の見学、あとは「やりたいことがあれば相談してね」という感じです。私と同じように海外から病院見学に来ている人もいて、同じ時期にはスペイン、ベネズエラ、ウクライナから留学生が来ていました。

 病院実習の期間を通じて、医学的な知識の面では大きな向上は感じられませんでしたが、ネパールの病院と日本の病院の違い、医療制度の違いについて知ることができました。ネパールは医療保険制度がやっと最近できたばかりで、貧富の差で受けられる医療に大きな差が出ています。貧困層の人たちは病気のままで治療できなくてもやむなしというような状況だったように見えました。ネパールはアジアの中でも貧しく貧困層が多い国です。保険制度がもっと広まり、できるだけ多くの人が最低限の医療だけでも受けられるような状況に早くなったらいいなと思いました。

 孤児院では821歳までの人たちが暮らしていて、小、中学生が6,7人ずつくらい、それより上の人がちらほらいるという感じでした。ここでも海外から来ているボランティアがいて、臨床心理士になりたいというフランス人と、哲学を専攻していて将来は子どもに関わる仕事をしたいというオーストリア人の方と一緒に活動を行いました。

 孤児院での1日を簡単に書くと、朝5時半くらいに子どもたちを起こして、歯磨きさせて、朝8時から始まる朝食までに宿題をやらせたり、一緒に遊んだりした後、子どもたちを学校まで送り出します。学校が終わって子どもたちを迎えに行くまでは自由時間で、この間に観光に行ったりしました。16時に学校が終わり、子どもたちを迎えに行ったあとは、宿題を手伝ったり、遊んだりして、ご飯を食べて子どもたちを21時くらいに寝かせて1日が終わります。

 ネパールは週7日のうち、土曜だけが休みで日曜も学校に行っていました。私がお世話になった頃はちょうど中高生がテスト期間だったので、行列の計算(ネパールでは高1でやっていました)とか化学とかを教えたりもしました。ネパールの学校では、ネパール語も国語としてあるのですが、国語以外の授業は全て英語で行われています。なので、子どもたちは英語がペラペラでした。一方で、ご年配の方には英語が伝わらないこともありました。

孤児院に来ているの人の中には、孤児院の親族関係の方が家庭内暴力が原因で逃げてきたという人がいたり、地震で家族をなくした子どもがいたり、障害があって家族から見放された、あるいは経済的に育てるのが難しくなったので来たという子どもたちもいました。背景は実にさまざまでした。

孤児院での経験を通じて、子どもとの接し方がだいぶ分かったように思います。学校に行きたくないという子がいたり、宿題をやりたがらない子がいたりと、いろんな子どもたちがいたので、とても勉強になりました。また、子どもたちと接している中でネパールの文化、考え方の違い、日本に対してどう思っているかについても教えてもらえました。「日本人は贅沢しすぎだ」と言う子もいて、どのように自分たちが見られているのかを直接感じたのは貴重な体験でした。

Q2. カリキュラム以外の、留学先ならではの現地での生活について

トイレットペーパーが基本的には設置されておらず、そもそも紙を使って排泄後に拭く文化がなかったのは驚きでした。下水道もあまり整備されておらず、文化的にも無駄遣いをしない考えがあるために、使っていないといった感じでした。また、トイレを流すときもバケツに水を入れ、その水で流していました。トイレはシャワーと洗面台と同じところにあって、現地の方はトイレのあとはその場で洗ったりしていました。一応トイレットペーパーは売ってはいますが、現地の人は使っていませんでした。

シャワーについては、私が宿泊したところはどこも冷たい水しか出ませんでした。また、ドライヤーも常備されておらず、ネパールの人は朝シャワーを浴びて、日光で乾燥させていました(私も朝シャン生活をしようとしたら風邪をひいてしまったので諦めました)。

服装は民族衣装のクルタを着て過ごしてたり、日本の服で過ごしたりで、現地の方も若い人は基本Tシャツ姿でした。

部屋はゲストハウスでは一部屋6人の女性部屋、孤児院は3人一部屋の女性部屋で、ご飯は3食出てきました。食事については孤児院では毎食ほぼ同じ(ご飯、豆をすりつぶしたスープ、じゃがいも、大豆をすりつぶしたもので構成されるダルバートという食事)で、病院側のゲストハウスのゲストマザーは朝、昼、夜といろんなご飯を用意してくれました。ネパールでは手で料理を食べる文化があり、私も行ってから1週間で手で食べるようになりました。手で食べるとすごくホストマザーが喜んでくれました。クルタを着たときもそうですが、文化を受け入れる姿勢が親近感を生むので、行かれる方はぜひ挑戦してみてください。

Q3. なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか

ー場所について

将来働くときには、病院の中でずっといるより訪問診療のように外に出ていくスタイルで仕事がしたいと考えています。訪問診療をしている現場を見れるようなプログラムに行きたかったのですが、そのようなプログラムをおこなっているのはアフリカにしかなく、金銭面からも厳しかったので、まずはアジアで行けるところに行こうと思い選びました。また、アジアの中でも日本よりなるべく遠くて、かつ金銭面も考慮してネパールにしました。

ネパール内では、ICYEのプログラムの中にある色々な選択肢の中から孤児院と病院を選びました(他にも森林保護とか、女性の人権に関するNGOとか学校で働くプログラムとか、医療に限らないプログラムが用意されていていました)。ICYEでは現地の生活をできるということが一番の魅力でした。

 

ー期間について

ICYEでは何日行きたいかを自分で選べたので、夏休み期間を利用してその範囲内で行きました。

Q4. 留学に至るまでの準備について

ICYEへの申込期限が出発の2ヶ月前で、5月の中頃には申し込みし、1ヶ月前までにお金の支払をしました。並行して予防接種(HAV、破傷風、腸チフス、計3万円くらい)を行い、そのあとは航空券とパスポートの発行をして、あとはICYEの方からくる連絡に対応しながら基本はお任せでした。

 

Q5. 準備、留学中の両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点

<反省点>

英語を話す訓練をもっとしておけばよかったです。ヨーロッパから来た人たちは普通に英語で喋れて、その人達の輪に入れないことがありました。自分が喋ってることに対しては真摯に聞いてくれるのですが、相手の話を半分くらいしか理解できなかったので、受け答えができなかったことがあり、悔やまれます。また、事前にその国の文化や歴史を勉強していくべきでした。そうすれば見えてくるものも違ったかもしれません。

 

<工夫してよかった点>

現地のネパール語を積極的に話すようにしたり、指差し帳を用意してホストマザーとそれをつかって勉強すると、とても喜んでもらえました。病院実習の中で出会った患者さんの中には現地語だけ話せるといった人もいて、英語が広く使われているとはいえ、現地特有の言語や文化を積極的に学ぶ姿勢を持てたことで色々な人に喜んでもらえたり、話しかけてもらえました。

 

Q6. 留学していた場所について

首都のカトマンズに基本は滞在していたのですが、北に中国があり、ヒマラヤ山脈の麓なので夏でも涼しかった(23℃くらい)です。一方で、南の方は湿気もすごくてとても暑いです。

環境面ではインフラの整備が発展途上なところが多く、道路はでこぼこで、砂埃が舞い、排気ガスの影響もあり、大気汚染が激しいのでマスクを付けて歩いてる人が多かったです。運ばれてくる患者さんも呼吸器の病気で運ばれてくる方が多くいました。また、ゴミをぽいっと捨ててしまう人が多いので、道も汚くなってしまっています。交通状態も信号も標識もない、横入りし放題、どこかしらで事故が起こってる、クラクションが鳴り渡っているというようなけっこう大変な状況でした。

日本みたいにまんべんなくキレイなことはなく、建物も格差がとても激しかったです。首都から離れた地域はもっと貧困状態で暮らしている人が多いそうで、地方になるほど宗教のルールや、村の慣習による縛りが強くなるそうです。

Q7. 留学中どのような人とかかわったか

ゲストハウスでお世話になったゲストマザーやヨーロッパ各地から来た留学生、孤児院の子どもたちの他にも、私のようなボランティアで来ている人たちをまとめるコーティネーターの方(いろんな団体からネパールにはボランティアに来ていて、それをまとめる人がいました。年は20歳くらい)がいて、いろいろと現地の情報を教えてくれました。

お世話になった病院のスタッフさんはみんなやさしくて、暇な時はおしゃべりしたり、フェイスブックを交換したりゆったりと過ごしていました。ネパールの国の医師は、他の国の医学部を卒業した後に戻ってくる人がほとんどだそうです。

他にも、現在は日本在住だけどネパールにお盆で帰ってきてる人にたまたま出会うことができました。日本語がペラペラで少しホッとした気持ちになりました。 ネパールの人たちは陽気で歌ったり踊ったりするのが好きで、一緒にダンスをしてすごく楽しかったです。

Q8. 英語の能力はどう変化したか

TOEICは700点くらいで、留学後は少しは英語がせるようになったような気がします。話すことの難しさを意識できたので、英語で会話することの大切さ知ることができました。今後はTOEFLを受けるようにしたいです。

Q9. 留学のメリット/デメリットについて

ー得たもの

将来、同じ現場で働くかもしれない人たちと出会えたことがとても大きかったです。途上国や災害の現場で働くときに同じ現場で働くかもしれない、同じ志をもった人達に出会えて本当に良かったです。SNSなどを通じてこれからは意見交換もできますし、ふとした瞬間に連絡を取っていくことができたらいいなと思っています。一緒に将来働きたいと思える人に出会えてよかったです。そのような人にはただ現状の環境下にいるだけでは絶対に出会えないので、外に出るのと出ないのはぜんぜん違うと思えました。

 

ー失ったもの

お金くらいです

 

ー得られなかったもの

特にありません

Q10. 現地で苦労した話について

トイレ、シャワーに加えて、朝の手洗いの洗濯のあとのスコールなど苦労しました。あとはやはり言葉で苦労しました。

Q11. 留学について意識し始めた時期とそのきっかけ

2年生のときに留年してしまったため、授業がない時間が増え、自分のことを考える時間も増えました。そんなときに自分が本当は何をしたかったかを考え、高校、予備校でお世話になった先生がそれぞれバックパッカーをしていて、すごくよかったよと言っていたのを思い出し、海外へ出てみようという気持ちになりました。それからはバイトを頑張ってお金をためてて、留学への準備をしていきました。

Q12. 留学後の展望について

英語でコミュニケーションをとる練習をし、長期の休みでまたボランティアをしたいです。

今回はネパールの中心部で主に活動しましたが、次回来る時はネパール西部の地域にいきたいです。西部は都市部よりも田舎で、宗教や文化的な慣習が根強く残っており、子供たちや女性が適切な医療を受けられないのが現状です。なので、日本で公衆衛生や母子保健はもちろんのこと、ヒンドゥー教の文化やネパールの歴史についてより深く勉強して、そこで暮らしている子供たちや妊産婦のケアに携わっていきたいと思っています。

また大学生のうちにネパールのみならず、他の国にも足を運びたいです。

Q13. 留学へ行く前の自分へのメッセージ

ネパールは想像以上にすごいところだけど、それ以上にたくさん良い経験ができると思う!

ネパールを選んだあなたを誇りに思います。

Q14. 後輩へのメッセージ

いろいろな国に行かれると思いますが、日本はやはりどの国よりも居心地が良くて便利であるということを痛感させられると思います。日本との違いに戸惑い、時には辛い思いをすることもあるかもしれません。しかし、その国にはその国にしかない素敵なところが必ずあります。特に私のように途上国でボランティアをしたいと考えている方に伝えたいのは、その国が抱えている問題や、悪いところにばかりクローズアップしていくのではなく、まずはその国の良いところを見つけながら活動していってほしいと思います。その国にはどんな文化で、どんな宗教の元で、どんな人たちが暮らしているのか、純粋にその国がどんな国なのか、冒険するような気分でやっていくと、案外いろんな発見があってとても楽しいと思います。皆さんの活動がとても素晴らしいものとなりますように。

Q15. その他、言い残したことがあればどうぞ

・日本で留学しようという看板がとてもたくさんありました。日本への留学の意識がネパールでは本当に高いんだと思います。

・障害を持つ人が物乞いしているシーンを良く見ました。

・ネパールの人は90%の人がヒンドゥー教で「あなたの宗教はなに?」ということをよく聞かれました。それまでは自分は宗教が無いものだと考えていたのですが、お守りを捨てられなかったり、神社にお祈りしたりする部分もあって、無宗教ではないのではないかと気づかされました。そのような気付きから、日本の神道と仏教が合わさった文化をもっと説明できればよかったと思います。

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