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ザンビアという国に触れて

  • 著者:手嶋 遥(島根大学医学部 2年生)
  • 投稿日:
  • 国名: /
  • 派遣先機関:ザンビア大学附属教育病院
  • 留学目的:病院見学

一問一答コーナー

名前手嶋 遥(Haruka Teshima)
所属大学・学年:島根大学・2年
留学先の国:ザンビア共和国
留学先の大学(機関):ザンビア大学附属教育病院
留学の期間:(医学科1年次)3月8日~27日
留学の目的:病院見学
留学の費用(概算):35万円
-学費:0円
-家賃:3万円(ゲストハウス代)
-生活費:7万円(内、3万円は観光で使用)
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど):20万の航空券、予防接種代5万
プログラム(仲介してくれた機関/人):IFMSA-Japan
利用した奨学金:使ってません
VISA
保険
留学中の住まい:ゲストハウス、村に滞在(1週間程度)

プロフィール

福岡県出身。災害医療や被災地支援、緩和ケア、予防医療、あらゆる病気の患者さんの心のケアなどに興味がある一方、格差や貧困といった社会問題に対する活動にも関わりたいと考えている。

高校時代は主に研究に興味があり、研究所や大学等の研究室を見学させてもらっていたが、今はかなり人との出会いに重きを置いている。できるだけたくさんの経験をし、その中でいろんな人と出会い、自分にはない考えに刺激をもらいたいと考えているので、国内でも積極的にイベントやセミナーの開催に携わっている。

6年次に海外で研修を受けたいので、現在は医学・英語の勉強と部活や学生団体等とを両立するべく奮闘中。

サマリー

・途上国支援の現状について、支援する側とされる側の関係性について考えさせられた

・ストリートチルドレンだった子どもたちに初めて会ってアフリカの子どもたちの置かれている現状を垣間見ることができた

・途上国内の地方と都市部の格差を実感した

・アフリカやそこに住む人に対して持っていた固定観念や偏見を取り払うことができた

Q1. 留学中にカリキュラムで学んだことについて

アフリカの方がどのような生活を送っているか、実際のアフリカでの生活がどのようなものなのか、またどんな医療を受けているのかを実感することができました。今までは写真や映像で見ていたものが、現地に実際に行くことで肌でその空気を感じ、行くまでに抱いていた偏見を変えることができたと思います。

今回のザンビア派遣は、医療系学生数名がグループでザンビアに行く形式をとっています。最初からカリキュラムが全て組まれているわけではなく、参加者が11月に決定したときから、それぞれの希望を叶える形でスケジュールを調整していきます。私達はAAR Japanという難民援助のNGOが行っている母子保健事業の見学や、ザンビアの地方の村にてフィールドワーク、孤児院見学や現地病院での産婦人科実習などを行いました。フィールドワークでは公衆衛生や現地の方々にとっての幸せとは何かを聞き取る調査を行ったり(自分たちで英語でコミュニケーションをとりながら聞き取り調査を行います)、産婦人科実習では本来勤務しているはずの医師が学会や体調不良で不在ということで、血圧測定や子宮底の計測、胎児の心臓音を聴く等のお手伝いをさせていただきました。また、人数不足のため、当時まだ1年生だったにも関わらず帝王切開の第一助手的な立場でのお手伝いもやらせてもらいました。(他の派遣メンバーはお産をとったりもしていました。)また、滞在していたゲストハウスではストリートチルドレンも多く暮らしており、彼らと接したり、彼らを受け入れるゲストハウスのオーナー夫妻のお話や事業についても聴くことができました。

 

Q2. カリキュラム以外の、留学先ならではの現地での生活について

滞在していたゲストハウスでは電気も通っており、ある程度の生活をすることはできたのですが、水は基本的には雨水を貯めたものを煮沸して使ったり、夜はお湯が出ないなど、なかなか不自由する場面も多かったです。また、洗濯機もないのですべて手洗いで洗濯していました。他にもスコールが降ってくるため洗濯が生乾きのまま取り込まなければならないこともしばしばありました。地方の村では電気も通っていないため、夕食は懐中電灯の明かりのもとでしたが、その分日が昇り明るくなってから鶏たちの鳴き声で起き、暗くなったら寝ると言う生活ができて新鮮でした。灯りがないため、星や月が本当に綺麗に見えて、みんなで地面の上に寝袋を敷いて寝転んで満点の星空を堪能した事は最高の思い出です。また、トイレは地面に穴をほっただけのものであったり、お風呂に5日間入れないこともあり少し苦労しましたが、鍋で温めたお湯で髪の毛だけ洗い流すという貴重な体験ができました(笑

)

食事はトウモロコシ(日本で食べる種類のものではなくメイズという種類です)の粉に水を加えた、パンの焼いていない版のようなシマと呼ばれる主食とビーフ、チキンなどタンパク質と野菜のワンプレートでした。ほぼ毎食同じような組み合わせだったので、味に飽きてしまい日本食が恋しくなりました。また、現地の人は砂糖が好きな人が多く、コーヒーに大さじ山盛り2,3杯入れて飲んでいました。

Q3. なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか

-場所について

大学に入る前から、貧しいと言われているアフリカの現実を自分の目で見たい、一度はアフリカに行きたという思いを抱いていました。これは将来、日本の子どもの貧困のために力を使いたいという思いからでした。子どもたちを支援する立場になったときに、自分の行おうとしている支援が、果たして本当に子どもたちが望んでいることなのかどうか、一方的なものになっていないか、支援を受ける立場に立って考えることの必要性を感じていました。そのためにも、支援を受けている子どもたちと接することで、子どもたちが支援というものをどのように受け止めているのかを知りたいと思いました。

また、興味本位ではあったのですが、アフリカのの子どもたちが写っている写真を見て、「アフリカの子どもたち」はなんて素敵な笑顔をするのだろうという、よい偏見を勝手に持ってしまっているのではないかという思いがありました。日本の子どもと何が違うのだろうか、本当のところはどうなのかを知りたいという思いからもザンビアに行くことを決めました。

-期間について

行くメンバーが決まってから最大行ける期間で行きました(基本3週間程度です)。

Q4. 留学に至るまでの準備について

11月の2週目にザンビアに行くことが決定し、参加するメンバー7人で行く場所やスケジュールを決定していきました。この手配の中ではザンビアの中でどこに行くか、行く場所が決まれば現地の人にメールで連絡を取り、アポ取りをし、スケジュール調整を行うといったことをしました。

この間に予防接種も並行して打ちました。予防接種は打ちたいものを打ち終えるまでに結構な期間がかかるので、全て打ち終えられるように早めに摂取し始める必要があります。

また、現地ではかなり虫が部屋の中に入ってくるということだったので、寝袋を買ったり、蚊帳を用意したりもしました。コンセントもそのままだと使えないとのことだったので、アダプターを買いました。

VISAは現地についたときに空港で手配しました。

Q5. 準備、留学中の両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点

<反省点>

・食べ物のパターンが限られていて味に飽きてしまうことがあったので、日本食でもお菓子でも食べられるものを持っていけばよかったです。

・日々の生活では体力が毎日尽きてしまい、疲れ切った状態でゲストハウスに戻っていたので、一緒に暮らしている子どもたちと遊んだり、もっと関わって色々な話を聞けなかったのが心残りです。

AAR Japanの人からの説明や村の人達からの聞き取り調査をしたときに、全部を聞き取れず、もっとリスニング力をつけていけばよかったと思いました。

<工夫してよかった点>

・工夫とは言えないかもしれませんが、とにかく気合で話すということを繰り返していくなかで、現地の方と一対一で話して、笑いを共有できることがありました。気持ちは大事だと思います。

・逆に、どうしても聞き取れない部分は諦めて、話を理解できていた友人に教えてもらいました。頑張っても結果聞き取れないと勿体無いので、後でメモを見せてもらったり教えてもらったりして臨機応変に対応しました。

Q6. 留学していた場所について

2週間程度をストリートチルドレンだった子どもたちと暮らすゲストハウスで、1週間程度を実習した病院のゲストハウスで、残りの1週間程度を地方の村で寝泊まりしました。

ゲストハウスはIFMSAで提携している先で、場所的には首都ルサカにあり、スーパーやショッピングモール、空港へのアクセスは良かったです。国全体として治安はアフリカの中でも比較的安全ですが、市場や大きなバス乗り場では特に中国人や日本人に対してお金目的に接触してこようとするので、パスポートや財布の管理には気をつけていました。交通量が結構多いのに交通整備やスピード制限などがほとんどなく交通事故が多発しているらしかったので、車やバスに乗るときはシートベルトをつけたり、車に気をつけて歩いたりしていました。雨季の終わりに行ったので昼間は日差しが強く暑かったですが、夕方になるとスコールが降って気温が下がり、夜は過ごしやすい気温と湿度になっていました。地方の村はマケニ村とチョングエというところに行きましたが、治安は良く気候も首都と同じくらいでした。

Q7. 留学中どのような人とかかわったか

お世話になったゲストハウスのオーナー夫妻です。旦那さんはザンビア人、奥様は日本人というご夫婦で、お二人揃って慈善事業を行っています。ストリートチルドレンだった子どもたちと自分たちの運営するゲストハウスで一緒に暮らしたり、村に学校をつくってマネージメントをしたり、その学校に子どもたちを送って教育促進や職業訓練を行い、子供達の自立支援など、子供達の未来のために幅広く活動されています。ゲストハウスで出会ったストリートチルドレンだった子どもたちはとても元気で、最初は緊張して表情が固かった子も最終的にはみんな笑顔になっていました。ザンビアにはストリートチルドレンがたくさんいるため、オーナー夫妻は自分たちの置かれている現状を打破したいという強い気持ちを持つ子供を優先して受け入れています。スポーツが好きな子は存分に体を動かし、音楽が好きな子はゲストハウス内のレコーディングルームで楽曲を製作したり、と一人一人のやりたいことが尊重されている印象を受けました。ゲストハウスにはカナダやアメリカ、そして沖縄からの宿泊者も来ていて、とても刺激を受けました。AAR Japanの職員の方や青年海外協力隊の方々、日本人産婦人科の医師といった日本から来ている方々とも交流がありました。

その他にもフィールドワークをさせて頂いた村人の方々小さな診療所で働くヘルスポストと呼ばれる医療者の方々、村の学校の先生孤児院にいるポーランド人のシスターなど、たくさんの方との関わりがありました。

Q8. 英語の能力はどう変化したか

自分自身の英語の能力はTOEICで言ったら650点くらいで、今回の海外での経験を通じて大きく英語力が進歩したかというとそうでもない感じです。ただ、聞きたいことがたくさんあったり、コミュニケーションを取りたいという気持ちは強かったので、気合でしゃべって色々質問してました。どうしても一気に喋られると対応できなかったことが多く、リスニング力が足りなかったことが残念でした。

Q9. 留学のメリット/デメリットについて

ー得たもの

自分自身がザンビアに行く前に知りたいと思っていた現地の状況や、支援に対する反応などを知ることができました。支援を受ける側の人たちは支援を受けること慣れてしまっていたり、当事者意識が低くなってしまっていることを肌で感じられたのも良い経験になりました。また、なかなかハードな環境での生活が続いたので、ある程度の環境ならどんな所でも生きていけるような気がします。

 

ー失ったもの

アフリカに対して抱いていた偏見や隔たりが失われました。

 

ー得られなかったもの

特にありませんが、英語力はそんなに伸びなかったように思います。

Q10. 現地で苦労した話について

すでに書いた内容と重複してしまいますが、食事、トイレ、洗濯、睡眠環境、水などのライフライン事情は大変でした。また、言葉のスピードについていけなかったり、ザンビアンイングリッシュを聞き取ったりするのが大変でした。

Q11. 留学について意識し始めた時期とそのきっかけ

意識し始めたのは大学に入学する前の春休みです。、高校生のときに仲の良かった人が子どものために何かしたいということを言っており、自分自身も人のために何かできる人になりたいというゴールを持ち、子どもの貧困について関わりたいという思いがありました。そんな中で漠然と、厳しい貧困状態を見ておきたいという思いが浮かんで来たのだと思います。また、貧困というワードから、貧困といえばアフリカという単純な発想でしたが、アフリカへ行くことを考えていました。

せっかくアフリカに行くならある程度長い期間滞在したいという思いと、この経験は早ければ早いほうが良いという考え、そして大学のカリキュラム的にも早く行きたいという思いが強く、1年次に必ず行くと決めて準備に入りました。

Q12. 留学後の展望について

ザンビアの状況を目の当たりにしたことで、日本のことをもっとちゃんと学びたいと思うことができました。また、ずっと抱き続けていた「人のために何かしたい」という気持ちを、より具体的な行動に移したいと思うようになりました。

その他の点では、現地で知り合った人から影響を受け、外国語をもっと勉強したい(英語だけじゃなく他の言語も!)という気持ちが高まりました。英語が喋れると、コミュニケーションをとれる人が増えて人脈がすごく広がり、さらに別の言語ができればその輪はもっと広がることを実感できたからだと思います。

Q13. 留学へ行く前の自分へのメッセージ

怖がらなくても大丈夫だから、何も考えずにとりあえず行ってみ!

空港での乗り継ぎとかもなんとかなるよ!失敗したとしてもそれも良い経験になる!

Q14. 後輩へのメッセージ

アフリカに行きたいと少しでも思ったら、必ず行った方がいいです。行ってよかったって言ってる人しかいないです。すべてが学びになりますし、日本とは状況がすべて全く違うから、勝手に色々感じて全てが学びになります。ぜひ恐がらずに一歩を踏み出してください!

Q15. その他、言い残したことがあればどうぞ

一度、熱が出てマラリア検査を行ったことがありました。いい経験でした。

毎日疲れていたにも関わらず、調子に乗ってゲストハウスで歌いながらオールしたのが原因です。

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