
スラム街での2週間
一問一答コーナー
名前:河野ゆかり
所属大学・学年:東京大学理科3類3年
留学先の国:フィリピン セブ島
留学先の大学(機関):無し
留学の期間:1年生の夏休み(7月末~8月頭ごろ)
留学の目的:貧困地域の現状を体感したかったから
留学の費用(概算):8万程度
-学費:無し
-家賃:無し
-生活費:2週間で1万円程度
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど):
プログラム(仲介してくれた機関/人):短期留学まとめサイト
利用した奨学金:無し
VISA:
保険:詳しくはわかりませんがクレジットカード連携のものだったと思います。
留学中の住まい:
プロフィール
兵庫県の神戸海星女子学院高等学校出身で東京大学理科三類に進学。留学当時19才。 大学で医学部の授業が本格的に始まるのが3年生からであるため、留学時には医学的知識は 皆無。
サマリー
・フィリピンのリゾートである「セブ島」の裏側に広がるスラム街 ・留学中にも大雨による洪水が起こるなど自然災害に対しても脆弱な環境 ・ゴミ山では子供たちが遊んだり売れるものを拾ったりしており、街中でも至る所から悪臭が漂う など衛生環境が劣悪
留学中にカリキュラムで学んだことについて
カリキュラムというような学習体制はなく、スラムの色々な地域を巡ったりホームステイをしなが
ら現地の状況を体感することがメインの活動だった。 民族性もあるとは思うが、スラムの人々は想像とは異なり、とても明るく元気で魅力的な人が多 かった。少なくとも先進国の一般的な日本人よりも幸せそうに生きているように見えた。
このことから貧困層の人々への経済的・物質的支援というような我々の既成概念の押しつけで は彼らの幸せにはつながらないと感じた。 私たちの思う経済的発展のような「プラス」を植え付け るような支援するのではなく、普遍的な「マイナス」である病気や死といったものを減らせるような 支援を、現地の価値観を大切にしながらしていくことが望ましいと感じた。 スラムと一言で言っても、海のスラム、山のスラム、街のスラムなどそれぞれの場所に固有の 課題がある。衛生環境ひとつをとっても、その原因は様々で一元的なアプローチは難しいと感じ た。机上ではなく、現地の人と密にコミュニケーションを取らなければわからない課題にたくさん 気づけた。
カリキュラム以外の、留学先ならではのならではの現地の生活について
スラム街の人の家にホームステイをした。普段の食事作りを手伝ったり家の子供達と遊んだりと現地の日常を体感できた。食事はとても美味しかったが、概して炭水化物が多く、野菜・タンパク 質が少ないという、貧困地域特有の傾向がうかがえた。芋やコメといった炭水化物をとっている 分、ふくよかな体型の人が多い。その点で、飢餓に苦しむアフリカ地域の人々よりも貧困というイ メージからは遠かった。しかし、栄養の偏りが疾患や短命に繋がっているようであり、貧困=飢餓 といった自身の短絡的な考えの甘さを痛感した。
なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか
-場所について
・ 日本からのアクセスが良く、かつ所得水準の低い地域であった ・積極的に短期留学生の受け入れをしているNGOがあった
-期間について ・NGO側の設定に従ったため、あまり深い意味はなし
留学に至るまでの準備について
・食生活・経済活動・衛生環境など、留学によって学びたいポイントを予め考えておく
準備、準備、留学中の両方について、両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点
反省点 ・服や靴などの生活必需品が不足していたため、予めその実情を聞いた上で、友達などから集 めて持っていければ良かったと思う
工夫して良かった点 ・食生活・経済活動・衛生環境など、留学によって学びたいポイントを予め考えておいたことで、 現地の人と話す時に、これらの観点を意識して情報収集が効率的にできた
留学していた場所について
・すぐ近くに観光客向けの大規模で豪華なアウトレットがある一方で、そのすぐ裏には悪臭の漂
うスラムが広がっていた ・アクセスはセブ島の空港から車で30分ほど
留学中どんな人と関わったか
・現地のNGOを運営している日本人男性
・一緒に参加していた日本人10人程度 ・現地のNGOスタッフ(スラムに住むお母さんたち)10名ほど ・スラムの子供達 ・ホームステイでお世話になったスラムのファミリー
英語の能力はどう変化したか
現地の人も簡単な英語しか使わないため、英語の能力は特に伸びはしなかった
留学のメリット/デメリットについて
-得たもの ・普段、疑問をもたないような当たり前の事柄に対する疑問(発展した経済の問題点・先進国の 人々のメンタリティなど)
-失ったもの ・特になし
-得られなかったもの ・特になし
現地で苦労した話について
現地の人々も皆優しく親切だったため、特別苦労はしなかった。
留学について意識し始めた時期とそのきっかけ
高校の頃から途上国に行きたいという思いがあった。高校の時に生徒会で途上国への物資支援をしていたことがきっかけ。
留学後の展開について
現地でアクセサリーなどをスラムの人々が作っていて、これの市場を日本に広げられないか考え中
最後に一言
大学時代に出来ることはなんでもやってみたらいいと思います。今しかできないこともたくさんあ るだろうし、一つ一つの体験が、物事を考える際の基盤になっていくことで、自身の血肉となって 行くと実感しています。
その他、言い残したことがあればどうぞ
何事も経験なり!